これは、私の体験談ですね。
仕事柄ですが、
「人の尊厳」というものを考えることが
多々あります。
毎度毎度、僭越ではありますが…
その「尊厳」というものを、
深く考えさせられた出来事について
お話しさせていただきます。
このブログを見つけてくれた皆様
ありがとうございます。
このブログでは、
「インクルーシブ」について考える
ことをコンセプトとして
様々な情報発信を行っています。
それ以外にも、
いくつかのコンテンツに分けて、
記事作成を頑張っています。
この記事でのお話しは…
インクルーシブとは関係ないですね…(笑)。
最初にお伝えしました通り、
今回、お話ししたいのは…
尊厳についてのお話しです。
尊厳について考えさせられた実体験
なんでこんな記事を書こうと…
思ったのかというと、
そういった実体験があったからなんですね。
仕事をする上でも尊厳について
考えることはあるのですが、
この体験は、非常に強く感じました。
そもそもリハビリは…尊厳を支える仕事
わたしは理学療法士なのですが…
そもそも、
この仕事というのは…
リハビリを患者さまに提供するのが、
仕事なんですね。
当たり前ですけど…(笑)。
なんで患者さまは
リハビリを受けたいのかといえば…
出来て当たり前だったことが、
できなくなっている状態になっているから
それができるようになりたくて
リハビリを受けています。
できて当たり前のことの代表といえば、
トイレですね。
トイレに一人で行くのは、
人としては当たり前ですよね?
トイレに行くたびに人を呼んで、
連れて行ってもらって…
ズボンとパンツを脱がせてもらって…
用を足したら、また人を呼んで
大便ならばおしりを拭いてもらって…
またズボンとパンツを上げてもらう…。
いかがでしょうか?
やむを得ない状況とはいえ…
精神的に耐えられますか?
なんでこんなこともできないんだと、
自己嫌悪してしまう人だって、
少なくありません…。
これも、尊厳だと私は思います。
見られたくないものや、
ところを見られるということは…
その人の尊厳を、
深く傷つける可能性がある…
ということです。
マラソン大会での出来事…
では、わたしの実体験について
お話しさせていただきます。
これは、
とあるマラソン大会での出来事でした。
わたし自身、
マラソンは嫌いなんですけど…
知人の誘いで
しぶしぶ参加していました…(笑)。
開催時期なのですが、
比較的涼しい季節だったのですが、
その日だけは、
なぜか妙に暑かったのを覚えています。
別にタイムを競ってはいないので、
私はゆるりを走っていました。
いや、もはや走ってなかったかも…(笑)。
しばらく走っていると、
少し前の方で
ざわざわしていました。
なんだろうと、
近づいてみると…
人が倒れていました。
意識もなさそうな感じでした。
マラソン大会には、
何かあった時の為に、
救急隊員が常駐していたので、
幸いにも対応は迅速でした。
救急隊員の行動、布で隠す
数名の救急隊員がやってきました。
倒れた人の救護にあたる人は
2人でした。
それ以外に3~4人くらいかな?
手が空いてる人がいたんですね。
その救急隊員の人が、
何をしたかと言うと…
倒れている人が
周りの人に見えないように、
毛布かな?
大きな布で、その人の周囲を囲んで
完全に見えないようにしていました。
その時は、
漠然と
「あぁ、見えないようにしてるんだ」
くらいに思っていました。
なんでだろうとかは、
特に考えなかったですね。
個人的には、
どんな風に蘇生を図るのかとか…
むしろ
いろんな人に見せたほうが、
ほかの人も真似できることがあるかもとか
救急隊員の
かっこいい勇姿が
みれるのになぁとか…
そんなことを考えていましたね…。
この出来事は、
概ね10年ほど前になりますけど…
今になって思えば、
浅はかでした…。
「尊厳」を守るということの意味
っていうような
実体験があったわけですが、
これを、
10年間くらい人生経験を積んで…
ふと思い出しました。
そして気が付きましたね。
あの時の救急隊員の行動は、
倒れた人の
尊厳を守っていたんじゃないかなと
感じています。
好奇の目が、尊厳を壊す可能性?
マラソン大会での出来事…
布で、倒れた人を囲っていたのは…
私の推測ですけど、
他人の目から守っていた
そのように思います。
倒れた人の立場で考えてみると…
ですけど、
多分、
苦悶に満ちた酷い顔をしてたんだと
思われますね。
まず、
そんな顔を見られたいかと言えば…
そんなわけないですよね…。
いつだって、
良い状態での自分で
外界と触れていたいですよね。
そりゃ中には…
そんなことどうでもよくて、
パジャマや部屋着でも
無精ひげでも…
平気で外に出られる…
私みたいな人間もいますけど…
そんな人種は除外します…(笑)。
基本的には、
外に行くときは、
身なりを整えます。
特に顔周りなんかは、
気を遣うのではないかと思います。
それが何かの事情があって、
自分の情けない姿…
地面に這いつくばるような…
そんな恥ずかしい姿を、
見られたいという人は…
そりゃいないと思います。
極論…
人に見られるのが嫌なんですね。
人に見られると、
何を思われているのか…
それが気になるんです。
本気で心配してくれてる人もいるでしょう。
手を指し伸ばして、
実際に助けてくれる人もいるでしょう。
しかし、
それはほんの一握りですね。
大多数の人は、
なにもしないです。
見てるだけですね。
なんだなんだと、
見に来るだけです…。
お恥ずかしい話ですけど、
私も、その一人でした。
現代は尊厳を破壊する基盤が凄い…
人と言うものは、
日常に飽き飽きしているものですね。
だからこそ、
非日常に刺激を感じます。
映画をみる、
旅行にいく、
行楽地にいく…。
これからは全て、
日常から離れたいという心理が
根本にあるんだと思います。
なので、
非日常的な状況には、
人は、引き付けられるんですね。
それは、
ポジティブでも
ネガティブでも…です。
例えば、火事です。
家の近くで家事が起きました。
あなたはどうしますか?
今してる作業を止めて、
見に行きませんか?
どうして見に行くんですか?
火事に巻き込まれた人を助ける為?
違いますよね?
それは…
好奇の目だと思います。
ただ、気になる…
誰かがケガしてるかも、
亡くなっている人を悼む…。
そんな気持ちを心から持っている人は、
どうか
その気持ちを持ち続けて下さい。
ですけど、
そうじゃない人もおそらく居ます。
自分が注目されたいが為に、
火事をエサにして
集客を試みるような…
そんな人間もいるんですよ。
人が倒れた場合…
これはまた、
家事とは少し事情が異なりますね。
まず、人との距離感が違います。
火事の現場には
当たり前ですが到底近づけません。
しかし、
人が倒れた…
この場合は、
ゼロ距離まで近づくことができます。
まじまじと
その人を見ることができますね。
マラソン大会の時ですが、
信じがたいことに、
倒れている人の姿を…
スマホで撮影してる人もいました。
何のために、
その人を撮影するのでしょうか?
皆様は、
なぜだと思いますか?
これは私のブログなので、
私の考えを述べさせていただきます。
おそらくですけど、
ネタにするんでしょうね。
友人同士の話のネタにするのでしょう。
「ちょい、まじやべぇ動画ある」
「え、なに?」
「これ見て」
「え、まって やばw」
「めっちゃ倒れてね?」
「死んでるやろこれw」
この会話は、
残念ながら本当にあった会話です。
証拠はないですけど。
その先は知りませんけど、
それこそ…
友人同士のLINEとかで、
拡散されたりすると…
最悪の一言ですよね。
全然知らない人の不幸は…
自分にとっては、
ノーダメージなんですよ。
むしろ、
どこか気分が高揚する人もいる…。
人と言う生き物の、
最悪な部分を見た感じがする…
今になってわかります。
尊厳を守るために動く
一度、そんなことがあると、
実際に倒れた人は、どう思うのか…。
まず、
恥ずかしいですよね。
誰に見られたんだろうとか…
知ってる人に見られてたらとか、
道ですれ違う人の中に、
自分の方を見てくる人がいると…
もしかしたら、
倒れた現場を見られた人かもしれない…。
そうやって疑心暗鬼になる…。
尊厳が脅かされるというのは、
そういうことだと思います。
そういう時に、
「大丈夫」
「しっかり布で覆ってたから」
「誰にもみられてないよ」
そのように言ってあげられれば、
その人は、
とても安心すると思います。
心が救われると思います。
さすが、
救急隊員ですね。
その人の身体を助けるだけでなく、
その人の心も助ける努力までしている…。
倒れているその瞬間だって、
人生の一部なんですよね。
理学療法士でありながら、
そんな考えを持てなかったのは…
恥だと知りました。
尊厳ある人生を支えるために…
私も私の役割の重さを、
深く学ぶことができた経験でした。
おわりです
今回はこれで終わります。
私的な感情が入りすぎてて、
お聞き苦しいところもあったかと思います。
それでも最後まで読んでいただけた皆様には
いつも感謝しております。
これから、気づきがあれば
何か書いていこうと思います。
それでは、
また、会いましょう‼‼‼
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